お知らせ
歯周組織再生療法~リグロス・エムドゲイン~
2021.1.29
目次
医療法人社団歯友会赤羽歯科 戸田診療所
歯科医師の武田です。
歯周病と診断された患者さんは多いと思います。
一口に歯周病と言ってもその状態は様々です。軽く歯茎が腫れている状態から、歯を支えている骨がほぼなくなり歯がグラグラしている状態。ご自身の状態を自分自身で把握しているでしょうか?
歯周組織再生療法
歯周病を治す一つの方法として歯周組織再生療法というものが存在します。
簡単に言えば、外科処置により、歯周病で歯を支えている骨がなくなった状態から復活させるというものです。
そんな画期的な治療方法があるならばどんどんやりたいですよね?
しかし、歯周病は重度にならない限り、患者さん自身が危機感を持つことは少ないと感じます。そして残念ながら重度の歯周病ほどこの復活は難しいものとなります。
そんな難しい歯周組織再生療法の可能性を大きく拡げてくれる薬剤が存在します。
リグロスとエムドゲインこの二つです。
リグロス
リグロスとは遺伝子組換え技術により大腸菌を用いて製造したヒト塩基性線維芽細胞増殖 因子(basic fibroblast growth factor(bFGF)、一般名:トラフェルミン(遺伝子組換え))を有効成分とする 歯周組織再生剤です。
2016年9月より保険適用となりました。
当医院でも積極的に採用しており、その治療成績はとても良いものとなっております。
エムドゲイン
エムドゲインとは幼若ブタの歯胚から抽出・精製したタンパク質分画、エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)にプロピレングリコールアルギネート(PGA)を加えた歯周組織再生材料です。
20年以上の臨床実績があり、長期的な結果報告からとても安心して使用できる材料となります。
リグロスとエムドゲインはどちらが良いか?
リグロスとエムドゲインのどちらが良いか。
骨の出来る度合いで言えば、どちらも差はないと多くの有識者が語っています。ただし、保険適用でのリグロスの場合、人工骨との併用ができないなどの様々な制約があります。この歯を歯周病から何とか救い出したいという観点から言えば、エムドゲインという選択肢もありかと思います。ただ、保険適用外だった歯周組織再生療法が、2016年より、保険内でも可能になったという観点からすれば、リグロスの治療も否定はできません。
赤羽歯科戸田診療所では、リグロス・エムドゲイン両者とも多くのケースで実際に使用しています。それぞれのケースにおいて利点欠点も存在するため、細かい内容に関しては各ドクターに尋ねて頂けたら幸いです。
ただし、リグロスもエムドゲインも、使えば必ず治る・塗るだけで治るという代物ではありません。そこには、患者さん自身の努力と歯科医師、歯科衛生士の努力が必要になります。お互いに一本でも多くの歯を健康な状態で残していきましょう。
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