お知らせ

もう進行してるかも tooth wear

2022.9.23

目次

医療法人社団歯友会 赤羽歯科 戸田診療所 歯科医師の木造です。

tooth wearという単語をご存じでしょうか?あまり聞き馴染みのない言葉だと思いますが、もしかしたらあなたの口の中でも起こっているかもしれません。

直訳すると歯の摩耗という意味です。永久歯が6歳ごろから萌出し、そこから計算すると永久歯は80年近く使用するということになってきます。

歯は人体の中で最も硬い組織ではありますが、使い方、癖などで時間をかけ摩耗を進行させ、治療が必要になる場合があります。

このような虫歯でないのに歯が削られ摩耗していくことをtooth wearといいます。

 

tooth wearには大きく分けて以下の4つに分類されます。

酸蝕症   (さんしょくしょう)

咬耗症 (こうもうしょう)

摩耗症 (まもうしょう)

アブフラクション

それぞれについて説明していきます。

酸蝕症

歯の最も表層にある硬いエナメル質において酸性の度数を表すphでph5.5、それ以外の部位ではph6.2で歯が溶けることすなわち脱灰が起こり始めます。虫歯では虫歯菌が糖を代謝する際の副産物として酸を出すことで脱灰がおこりますが、酸蝕症ではそれ以外の要因により歯が脱灰することを言います。

ではどのような要因で起こるのかというと、酸性の飲料物すなわち清涼飲料水、炭酸、酢、クエン酸、などを習慣的に過剰に摂取することで人為的に口の中のphを下げてしまい脱灰が起こります。口の中が酸性になっても唾液の作用により中性に戻り脱灰は防げますが、ちびちび飲みなど時間を空けずに摂取し続けることにより唾液の作用がおいつかず歯は脱灰していってしまいます。

また嘔吐癖がある場合の胃酸によるものや、メッキ工場など酸性のガスを吸い続けることによっても脱灰を起こしてしまいます。

咬耗症 

歯と歯が接触してすり減ることをいいます。

硬い物をよく食べる方、歯ぎしり食いしばりなどがある方は進行しやすいです。歯がすり減って噛む面が平になってきます。歯の中の層である象牙質が露出しますので虫歯に罹患しやすく、しみやすくなってしまいます。

摩耗症 

歯磨きの圧が高すぎることにより歯の表面が摩耗することを言います。

また強く磨きすぎることにより歯茎も下がってしまいます。歯磨きは圧でみがくのではなく細かな振動で磨く必要があります。きれいに磨いてみえる患者さんでも摩耗がかなり進んでしまっていることが多くあるので注意が必要です。

アブフラクション 

初めて聞く単語かとおもいますが歯に咬合力が過剰にかかると歯の根元が欠けてくることを言います。これは歯の表面が曲がっていることで応力が集中して起こるのですが詳しくは割愛します。

アブフラクションが進行していくと歯の根元が楔のように欠けてくるので楔状欠損ともいいます、楔状欠損になったところは神経が近くなるのでとてもしみやすくなります、知覚過敏でしみてしまっているところは十中八九楔状欠損になっています。またあまりにも進行すると歯の根元が半分以上無くなってしまうこともあり、その後の治療が困難になる時もあります。

まとめ

tooth wearは起こってしまってもすぐに治療が必要になることはありません。しかし進行が進んでしまうと治療が必要になり歯の機能が阻害されることや知覚過敏を生じてしまうことがあります。ご自身の生活習慣から起こる疾患なので気づけないとどんどん進行してしまいます。地味な疾患ですが歯がなくなっていくというのは虫歯と何ら変わらないので早期発見と予防が必要です。

ご自身ではなかなか気づけないことも多いと思います、是非一度検診に来てください!

 

戸田・戸田公園の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 戸田診療所」

JR埼京線「戸田公園駅」東口から徒歩5

監修者情報

院長・歯科医師

三井

平成6年4月 医療法人社団歯友会赤羽歯科 川口診療所勤務
平成17年3月 医療法人社団歯友会赤羽歯科 戸田診療所 院長就任

当院では、日進月歩で進歩する医療知識・技術の研鑽に励み、歯やお口のあらゆるお悩みやトラブルを解決できる「総合歯科診療」を提供できる体制を整えています。また、「患者さん一人ひとりに適した診療を提供すること」を基軸にしています。 すべての方がみな同じ生活習慣や環境、歯科に対する考え方ではありません。考え方が異なれば、適した治療方法も一人一人異なるはずです。当院では患者さん一人一人にとっての最良の治療を追求し、笑顔になってもらうための努力を惜しみません。